「薬屋のひとりごと」園遊会で久しぶりに毒を口にして恍惚の表情を浮かべ喜びに震えている猫猫(マオマオ)。
毒が入っていたスープは玉葉妃(ギョクヨウヒ)が口にするはずのものでしたが、実は里樹妃(リーシュヒ)を狙ったものだということが判明しました。
犯人が里樹妃のスープに毒を入れたのはある秘密が阿多妃(アードゥヒ)にバレてしまう事を恐れたための口封じでした。一歩間違えば里樹妃の命はなかったかもしれません。
内部犯行なのに犯人に心当たりがない壬氏(ジンシ)は苛立ちを隠せません。
玉葉妃ではなく里樹妃を狙った犯人は風明(フォンミン)と言われています。解説していきます。
薬屋のひとりごと園遊会で狙われたのは玉葉妃ではなく里樹妃だった
園遊会は昼食の時間になり、玉葉妃の毒見役である猫猫も呼ばれます。
他の毒見役たちは恐怖から手が震え、怯えている中、小猫は嬉しそうに膳に手をつけていきます(笑)
玉葉妃と里樹妃の配膳が入れ替えられていた
猫猫はなますを食べクラゲが青魚(鯖)に変わっていることに気がつきました。
毒味を終えていく猫猫が里樹妃を見ると、青魚を口にした彼女の表情は明らかに強張っています。
猫猫は食事がすり替えられていたことに気づきます。
そして里樹妃の様子をみて薄気味悪い笑みを浮かべる毒見役の侍女を猫猫は見逃しませんでした。
その後に出てきたスープを猫猫は恍惚の表情で口に付け「これは毒です」と言ったのです。
玉葉妃の食事に毒を盛られていたと周囲が騒ぎ立てますが、事実は違っていました。
先ほどの里樹妃の様子から、その毒は里樹妃に盛られたものだと猫猫は見抜きます。
猫猫は里樹妃とその毒見役を呼ぶように言います。
猫猫が里樹妃の袖をまくると腕には赤い発疹が出ていました。
里樹妃は魚アレルギーだったのです。
猫猫は嫌がらせをしたのは侍女だと知ったうえで、アレルギーは恐ろしいもので、医官でも助けられない、命に関わる場合があることを伝えます。
それを知っていて食べさせた場合は毒を盛ったのと同じだと脅しました。
壬氏はなぜ毒見役を同伴させたのか聞きますが、猫猫は「注意事項を伝えるため」と言葉をはぐらかします。
これだけは答えてくれと前置きして「狙われたのは里樹妃なのか」と聞く壬氏。
その言葉に小猫は「他の皿に毒が入っていなければそういうことになるでしょうね」と肯定する返事をしたのです。
猫猫が言葉をはぐらかしたのは、なますとスープの犯人は別々だと分かったからでしょう。
配膳を入れ替えたのは里樹妃の侍女たち
配膳その物を入れ替えたのは毒見役も含めた里樹妃の侍女たちの嫌がらせです。
里樹妃のアレルギーを侍女たちは知っているので、それを利用して嫌がらせをするためでした。
猫猫が見つけたスープの毒はまた別人の犯行です。(詳しくは後述します。)
園遊会で出された食事は食前酒、なます、スープの三品。
おそらく食前酒以外の料理の中で里樹妃のアレルギーを引き起こす食材が使われていた物がなますとスープ(おそらく魚のすり身が入っていた)でしょう。
この二品を誰も見ていない内に玉葉妃の器と入れ替えたのだと思われます。
スープは飲む前に元々の里樹妃が飲む筈だった器の方に毒を入れられていた為、毒見の猫猫が飲んでいます。
里樹妃はアレルゲンである鯖は食べてしまいましたがスープは飲まずに済んだ。ということですね。
里樹妃は侍女たちがすり替えたおかげで助かりましたが、飲んでいたら命を落としていたかもしれません。
里樹妃は侍女たちからいじめを受けていた
里樹妃は四夫人の中でも、幼い頃から政略結婚に振り回された気の毒な立場の妃です。
里樹妃は先帝の妃としてなんと9歳!で後宮入りします。
幼女癖のあった先帝の元に政略結婚目的で嫁いだのです。
しかし先帝が崩御すると出家し、その後改めて政略結婚目的で現帝の妃として後宮に戻ってきました。
本人の意思とは関係なく幼いころから政略結婚に振り回されていました。
そんな経歴の里樹妃を侍女たちは嘲ていて、日常的にいじめていたのです。
侍女たちは、園遊会で里樹妃が食べられない料理が出されても、そのまま食べさせようとしており、里樹妃を守るつもりはありませんでした。
スープに毒を入れた犯人は阿多妃の侍女頭の風明
風明が里樹妃のスープに毒を入れたのは阿多妃の四夫人の座を保つためでした。
そこで園遊会で里樹妃が食べられないものを出して里樹妃を殺害しようとしたのです。
阿多妃の赤子の本当の死因を隠蔽したかった
阿多妃の赤子の死因は毒おしろいと言われていましたが、実は違っていました。
阿多妃の赤子の本当の死因は風明が赤子に蜂蜜を与えてしまったことでした。
里樹妃自身の幼い頃の記憶はありませんが、赤ちゃんの時に蜂蜜を食べて、生死をさまよったことがあり、そのことを風明に話しています。
玉葉妃を訪ねた際に出された柑橘の皮で煮た蜂蜜を食べられなかったのはこの時の体験があったからです。
里樹妃は蜂蜜が赤子には毒になってしまうことを知っていました。
里樹妃は年の離れた阿多妃を母親のように慕っており、2人は仲が良いのでいつか里樹妃が話してしまい、阿多妃が赤子の本当の死因について気付いてしまうかと思ったのです。
産後肥立ちが悪かった阿多妃の子供の世話をしていたのが風明でした。
実家が養蜂場だった風明が良かれと思って蜂蜜を食べさせたことが原因で赤ちゃんが死んだという事実を、風明は阿多妃に知られたくありませんでした。
阿多妃ついてはこちらをご覧ください。
自白した風明は処刑
風明はその後自主し、自ら絞首台に上がり処刑されました。
ただし17年前、阿多妃の赤子に蜂蜜を食べさせたことで死んでしまったことについては、自供しませんでした。
それは、自身の死は免れなくても蜂蜜で赤子を死なせてしまったこと、それを隠蔽するために里樹妃で毒殺しようとしたこと全ての事実を公に知らしめる必要はないと思った猫猫のアドバイスがあったためです。
猫猫も蜂蜜の件については誰にも話していません。この真実は隠されたままとなっています。
下女が身代わりとなって自殺
里樹妃の暗殺未遂事件の犯人が判明する前、宮中では一人の下女が投身自殺。
ただの自殺かと思われましたが、猫猫は一人では無理だと推測します。
下女が身を投げた城壁は猫猫の身長の四倍もあり、登るための道具が一切ない。
城壁には職人が利用したと思われる突起もありましたが、下女は纏足だったので無理だと思ったのです。(纏足とは小さい足ほど美しいという基準で行われる、足を潰し布で固め木靴に押し込める風習)
下女の指先は血で赤く染まっており、生きたまま塀の中におち這い上がろうと何度も壁をかいたと思われます。
下女は園遊会での風明の犯行の失敗を見ていました。
下女は阿多妃を慕っており、侍女頭の犯行が明らかになれば、阿多妃にも責任が問われるかもしれない。
下女は自ら黒幕役となり阿多妃と風明を守るために冷たい水に入り自害をしたのです。
まとめ
今回も猫猫の豊富な知識と洞察力で事件が解決しました。
風明の一件で、彼女に関係する人物は後宮内に80人おり、全員が解雇されました。
猫猫も一度は解雇され花街に戻りましたが、壬氏が身請けしたことで猫猫は外廷勤務に復帰(笑)
壬氏は自分で解雇しておきながら、身請けするとは猫猫のことがどんだけ好きなの(笑)
今後どう事件を解決していくのか、壬氏との関係もますます気になります!
コメント