「ショーシャンクの空に」の主人公はアンディですが、レッドが主人公なのではと思う方も多いのではないでしょうか。
物語はレッドの語り口で進んで行きます。
レッド目線での語り口になっているので、アンディを客観的に表現されアンディの強い心が上手く表現されていると思います。
レッドは仮釈放の審査を却下され続けていましたが、何故３回目の面接で仮釈放の許可が出たのでしょうか。
理由を考察していきます。
ショーシャンクの空に：レッド（エリス・ボイト・レッド・レディング）
終身刑のレッドはショーシャンク刑務所のなかでも古巣の囚人です。
長年服役し調達屋として刑務所の中で居場所を確保していました。
塀の中で長年過ごしたレッドには刑務所が心地よくもっとも安全な場所であり、希望など持っていませんでした。
他の囚人とはなにか違うアンディが気になり、親しくなっていきます。
『映画版:ショーシャンクの空により』よりレッド
いい男
安心感があってすごく好き
観て pic.twitter.com/uKnFccImqx— カワニ (@20kawanee107) May 10, 2022
レッド役：モーガン・フリーマン
１９３７年生まれのアメリカの俳優です。
彼はこの役でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされました。
レッド役を演じたときは５７歳でした。
２００４年に「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。
世界各国で高い評価を得ている言わずとしれた実力派の俳優です。
今日6月1日はモーガン・フリーマンの84歳の誕生日。
80年代以降、人格者の黒人役といえば誰もが一番に思い浮かべるほどの映画俳優の地位を確立し、あらゆる名作傑作を力強く支えてきたモーガン。本当に凄い俳優さんです。今後の活躍にも期待✨ pic.twitter.com/b1XGEm9K6G— 宮岡太郎＠恐怖映画レビュー (@tm19880113) June 1, 2021
刑務所の中の調達屋
レッドは刑務所の中で調達屋をしていました。
囚人たちからの依頼を受け外部から色々なものを非正規ルートで調達し一目置かれた存在です。
レッド自身は刑務所の出入りが出来ないので、刑務所の職員などが協力者だったのではないでしょうか。
アンディも好物採取の趣味のためといって小さなロックハンマーを注文します。
のちにこのロックハンマーで脱獄するなんでレッドも考えていなかったでしょうね。
これがきっかけでアンディとレッドは交流を深め始めました。
色々あるけど『ショーシャンクの空に』も推したい。冤罪で投獄された銀行員のアンディ（右）と長年服役しているレッド（左）の2人のやり取りがとても好き。 pic.twitter.com/u0KsGTsJIU
— Hound Ｃ99 お疲れ様でした (@Hound_7) June 12, 2020
レッドの罪とは
劇中、レッドの罪については触れられていませんが原作では語られています。
実はレッドは奥さんを保険金のために殺し、その現場を目撃した隣人の女性と息子を殺していました。
つまり３人も殺していたのです。
かなりショッキングです！
レッドが仮釈放された理由
レッドは3回仮釈放の審査を受けています。
1回目（服役２０年目）、2回目（服役３０年目）の審査では審査官に「更生したと思うか？」と問われた際に「更生しました。色々反省して今ではすっかり生まれ変わりました。二度と悪いことはしません。誓って本当です。」と答えました。
１回目、２回目とも同じ質問をされて、同じ回答をしていますが、１回目は少し期待するような表情でしたが、２回目の表情はうつむき、諦めているような表情です。
刑務所の生活に慣れていたレッドは外の世界へ出るのが不安で怖かったのだと思います。
そして「仮釈放不可」のスタンプを押されました。
罪と向き合い本心を打ち明けた
３回目（服役４０年目）の審査では同じ質問をされましたが、
「私には更生という意味がどういうことか解りません。
オレから本当に聞きたいことは、後悔しているかどうかでしょ？
後悔を一日だってしない日はない。
刑務所に入れられたから後悔しているんじゃない。
当時の自分を振り返るんだ。
おそろしい罪を犯したバカな若造だった自分を。
そいつと話したい。まともになれと言ってやりたい。色々話してやりたい。
でも無理だ。もうここに若造はいない。
残ったのは年寄りさ。もう取り返しなんてつかない。
更生？そんなのは言葉にすぎない。
早いとこ不可のスタンプを押しておわりにしてくれ。
時間の無駄だ。
正直オレはそんなことどっちでもいいんだ。」
室内は沈黙し、「仮釈放許可」のスタンプが押されました。
２回目と３回目の仮釈放審査の間に何があったと思いますか？
それはアンディの脱獄です。
アンディは脱獄をする前にレッドに「仮釈放されたらバクストンの牧草地へ行って欲しい」とメッセージを残しました。
ブルックスが自殺したことで仮釈放が怖くなっていたレッドにアンディとの約束が希望を与えたのです。
レッドが本当に自分の罪と向き合い、これから後悔と共に生きていく覚悟を面接官も感じたのではないでしょうか。
レッドを救ったのは約束
仮釈放となったレッドはスーパーでレジの補助係をするものの上手く馴染めません。
住まいは以前囚人仲間だったブルックスが釈放後住んでいた部屋。
ブルックスは社会に馴染めずこの部屋で自殺をしてしまいました。
レッドの頭にも自殺がよぎりますが、アンディとの約束思い出します。
アンディとの約束がレッドに死を思い留まらせていたんですね。
バクストンの牧草地に行ったレッドは木の根元に缶を見つけ、中にはアンディからの手紙とお金が入っていました。
「レッド、希望は素晴らしい。何ものにも代えがたい。希望は永遠の命だ。これを読む君が元気だといいが、、、。」と書いてありました。
このシーンが好きなのですが、出所後に絶望していたレッドが缶の中に希望を見出すという素晴らしい演出だと思います。
#たまらなく好きな映画のたまらなく好きなシーン
ベタベタですが、「ショーシャンクの空に」のラスト、牧草地でレッドがアンディからの手紙を読むシーン pic.twitter.com/uVqa7MTKQJ— kowal (@ko_wa_l) May 15, 2018
レッドの最後
手紙を呼んだレッドは仮釈放違反をする覚悟でアンディの元へ向かいます。
美しい青い海の砂浜で船の手入れをするアンディと再会。
海をバックに笑顔で歩み寄る2人、そして抱擁を交わします。
あ～良かった！やっと再会出来ました！
このシーンでセリフはないのですが、2人の笑顔がとっても最高です！
まとめ
レッドがアンディに会いに行くために長距離バスに揺られているシーンが印象的です。
「国境を越えられるといいが」
「親友と再会出来るといいが」
「太平洋が青く美しいといいが」
「オレの希望だ」
レッドはアンディと同じように必死に生きる方を選びました。
バスの中で希望にワクワクしています。
絶望の淵で心の支えがあって良かった。
希望を最期まで捨てなければ思いは実現し、希望は人を前に動かす力になる。
そう思わせてくれる作品だと思います。
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