「魔女の宅急便」は宮崎駿監督によって1989年にアニメ映画化され公開されました。
13歳の魔女キキが知らない町で少女から少し大人へと自立する姿が描かれています。
ジブリ作品はたくさんありますが、「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」とは違い、敵も出て来ませんし、争いもありません。
壁にぶつかっても日々がんばる小さな魔女キキのお話です。
映画のキャッチコピー「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」は糸井重里さんが考案されました。
ポスターの笑っていないキキの表情も印象的です。
『 おちこんだりもしたけれど、
私はげんきです。』やはり糸井重里さんの作るジブリのキャッチコピーは胸に響く#魔女の宅急便 #金曜ロードSHOW pic.twitter.com/YitmlaAqtD
— Twiggy (@twiggy_666) January 22, 2016
「魔女の宅急便」は泣ける映画?
私が子供の頃はビデオに録画し何回も観ていました。
その頃は何も考えずただただ面白く黒猫のジジ、空を飛ぶキキ、ヨーロッパの景色に夢中になっていましたが、大人になり、社会人になり、親になった今鑑賞するとだいぶ見方が変わっていて驚きます。
「魔女の宅急便」の大人が涙してしまうシーン
キキが努力し挫折し成長する姿。
色んな人に助けられ、自分の道を切り開いて行く姿。
昔は理解出来なかったけど、今は共感出来るシーンばかりです。
キキとお父さんが抱き合うシーン
冒頭で旅立つキキにお父さんがいったセリフです。
キキにせがまれキキに高い高いをしたあと、「いつのまにこんなに大きくなったのだろう。うまく行かなかったら戻ってきてもいいんだよ。」と優しくキキを送り出します。
13歳のキキがお父さんに甘えて高い高いをねだる姿にキュンとします。
映画の中でキキが甘えているのはお父さんだけなんですよね。
自分の子供と重ねてしまい「いつかは子供も自分の元から巣立って行く日がくるのだろうか」、自分の両親も同じことを思っていたのかと考えてしまいます。
親目線でも子供目線でもみることが出来ます。
ニシンのパイ包み
雨の中、キキがおばあちゃんが作ったニシンのパイを孫娘に届けると「私このパイ嫌いなのよね」と言われ、冷たい態度を取られショック受けるキキ。
帰りは土砂降りでパーティーへも参加できず布団の中で泣いてしまいます。
誰かの心無い一言で落ち込んで、自信をなくしてしまうことは実社会の中でも何度も経験がありますよね。
落ち込んだとき、上手くいかなかった時の自分に重ねてしまい涙してしまいます。
魔女の宅急便
祖母「孫に温かいお料理をと思ったのよ、私の自慢の料理ニシンとカボチャの包み焼き」
でキキに配達を依頼
苦労して運んだら受取人の孫が
「私このパイ、キライなのよね」
と言い放ち勢いよくドアを閉めるシーンがあって
そこ見るたびに胸が苦しくなって
テレビの画面叩き割っちゃう pic.twitter.com/17ds55sz1v— アコマリる (@acomaril) March 7, 2020
キキがトンボを救出
魔法の力が弱くなり空を飛べなくなっていたキキ。
トンボが飛行船の事故にあい、近くにあった掃除用のデッキブラシを借りて救出へ向かいます。
デッキブラシに「飛べ」と念じて飛び上がりますが、上手く操れません。
飛行船のロープになんとかしがみついていたトンボですが、ロープから手を離し落ちてしまいます。
間一髪でキキはなんとかトンボの手を掴み救出する事が出来ました。
魔法の力が弱くなっていたキキが「トンボを助けたい!」と強い思いで自らのトラウマを乗り越えた瞬間です。
「私なんて、、、。」「どうせ無理、、、。」そんな弱い気持ちよりも、強い思いで精一杯立ち向かうキキの姿に涙してしまいます。
何度観ても、心が揺さぶられます。
自分の血を信じて…♡#魔女の宅急便#ジブリ #飛行船 #キキ #ジジ 好き♪ pic.twitter.com/tSR62v2bJ1
— 白鳥愛砂美 (@asami_sw2) January 22, 2016
キキからの手紙
キキから両親に届いた手紙。
「お父さん、お母さん、お元気ですか。私もジジもとても元気です。仕事の方もなんとか軌道に乗って、自信がついたみたい。落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです。」
キキは修行をはじめた頃は、好きな町で好きなことを仕事にして暮らすことに夢や希望を持っていましたが、苦難や困難があり好きだけではやっていけないと実感しました。
たくさんの試練を乗り越えたキキが「私、この町が好きです。」と成長した姿を見せています。
キキの両親はキキが乗り越えてきた日々を知りません。
この手紙を通して色々な経験をして成長したのだろうと読み取れるのではないでしょうか。
子育てをしているとつい失敗しないようにと先回りをして手助けをしてしまいがちですが、一歩引いて信じて見守ることの大切さを感じます。
魔女の宅急便、自分が子どもの頃から、もう100回以上見ているはずだけど、今、娘と見ながら一番心に残るのは最後のシーン。巣立った子どもから手紙が届いて、大慌てで読み始める両親の姿。昔は全く気にもしなかったシーンなんだけどな。 pic.twitter.com/Mchrro710K
— Noriaki Yoshikawa (@yoshikawanori) March 11, 2018
この映画が伝えたいことの考察
どんな仕事にも失敗や困難はつきものです。
キキの人間関係も現実的に描かれて、自分に置き換えることが出来ます。
自立すること。大人になること。
スランプの乗り越え方。友達の大切さ。優しさの大切さ。
キキを通して忘れてはいけない、社会生活の大切なことを伝えてくれています。
まとめ
キキが大人へと成長する過程で経験する挫折、無力感。
それは誰もが経験することです。
大人になった今、キキの姿と自分を重ね、キキの苦しみや少しずつ一歩一歩成長する姿を理解出来るようになり涙してしまうのだと思います。
子供の頃には気づけなかったとても深くて素晴らしい映画だと思います。
自分の子供が大きくなったとき、魔女の宅急便をみて何かを感じとってもらえたら嬉しいです。
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