「天空の城ラピュタ」に登場するムスカ大佐はジブリ屈指の名悪役です。
悪役でありながらどこか愛着があるので、ジブリの作品の中でもムスカは1番愛されている悪役ではないでしょうか。
表向きは紳士的ですが、裏の顔は目的のためには手段を選ばない冷酷な人間でした。
ムスカ大佐の正体は何者なのか、シータを執拗に追い回す目的や何がしたかったのかについて解説していきます。
天空の城ラピュタ:ムスカ大佐の正体は?
ムスカ大佐は金髪で常に薄い色のサングラスをかけ、白いシャツにブラウンのスーツを着ています。
目的のためにシータを執拗に追いかけ回しますが、手荒な真似はしません。
ムスカ大佐とはいったい何者なのでしょうか。
ムスカ大佐のプロフィール
ムスカは飛行石を探索する任務を帯びた特務機関の所属で、階級は大佐です。
政府の密命を受けて軍と協同しラピュタの調査をしています。
年齢は28歳(32歳という説も)で大佐にまで昇進しているのでキャリア組だと思われます。
表向きは紳士的ですが、本性は目的のためには仲間すら裏切る冷酷な性格。
教養にも優れ、暗号を解読したり、旧約聖書やラーマヤーナに通じています。
射撃の腕にも長けていて、暗闇の中シータの髪留めだけを狙って撃つこともしています。
見ろ。人がゴミのようだ。 ムスカ / 天空の城ラピュタ pic.twitter.com/g8YidqqVkS
— スタジオジブリ名言bot (@jiburicollecti2) August 1, 2022
ムスカ大佐の正体はラピュタの末裔
ムスカはシータと同じく古い秘密の名前を持っていました。
ムスカの本名は、「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」。
「ウル」はラピュタ語で「王」を意味し、ムスカはシータと同じ古代王家ラピュタの末裔でした。
シータの本名「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」のうちトエルは「真」を意味しますが、ムスカの本名にあるパロはギリシャ語で「従属」を意味します。
つまりシータが本家筋なのに対し、ムスカは分家の子孫なのです。
ムスカ大佐の目的
ラピュタ帝国は約700年前の疫病の流行により、地上へ逃れたとされています。
この時、王家は2つに分かれ地上に姿を隠しながら生き延びていました。
天空の城ラピュタは700年たった今も空に浮かび続けており、王の帰りを待っているのです。
ムスカ大佐はラピュタが見つかった際には自分が王となりラピュタを復活させようと目論んでいました。
ムスカは表向きは軍に協力するふりをしながら、王家の末裔としてラピュタに帰る機会を狙っていたのです。
初めはシータを傷つけず紳士的に対応していましたが、計画の邪魔になると判断した時は容赦無く銃を向けるようにもなっていました。
シータはラピュタについての記憶をほぼ失くしていますが、ムスカは最初からラピュタのことをよく知っており、ラピュタの伝承を書き写した手帳を持っていました。
シータの一族は飛行石を受け継ぎましたが、ムスカの一族はラピュタの古文書を受け継いでいて、手帳に書き写していた情報は全てこの古文書からのものです。
ムスカ大佐は古文書を受け継いでいたので、飛行石がラピュタの位置を指すことや700年の間、王の帰りを待っていることを知っていました。
ムスカ大佐は何がしたかった?
真の王家であるシータと結婚することで、かつて全地上を支配したラピュタの正当な王になり、ラピュタの持つ強大な力を手にする事を目論んでいました。
劇中終盤、ムスカ大佐はシータに向かって「当分2人きりでここに住むのだからな」というセリフを言っています。
これは、ムスカ大佐が知らない呪文や飛行石を受け継いでいるシータを利用して、完璧なラピュタ王になりたかったために言ったことでしょう。
やりたかったこと:ラピュタの王国としての復活
ムスカ大佐は、シータを自分の都合のいいように利用し、ラピュタを完全なる王国として復活させたかったのです。
またシータと結婚し子供を生んでもらえれば、自分が真のラピュタ王の父親になれると計画していたかとも考えられます。
しかしシータはパズーと一緒にラピュタを滅ぼすことを選び、ムスカ大佐の野望が叶うことはなかったのでした。
まとめ
ムスカ大佐の本当の目的はラピュタ帝国の力で世界を支配することでした。
約700年前に地上に降りた時に2つに分かれなければこんな争いはおきなかったでしょう。
もしシータと力づくで結婚していたら、ラピュタの財宝や兵器を手に入れやりたい放題で地上の人間を危険にさらす行動をしていたかもしれません。
邪魔者は端から始末していく冷酷な一面を持っているので想像するとぞっとなりますね。
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